ふいちゃんの中国日記

ふいの中国語講座/諺・格言

第二十八計 上屋抽梯

2012年1月25日


日本でよく使われる「二階に上がらせて梯子をはずす。」という言い方がある。じつは、これも「三十六計」から来ており、古の日本がいかに「三十六計」を取り入れ、まるで昔からあった日本語かのように定着しているのがわかる。

それぞれの意味は以下の通り。
   上(shang4 シャン)は日本語と同じ“上がる、登る”。
   屋(wu1 ウー)は“部屋、家屋”。
   抽(chou1 チョウ)は“抜き出す、引き抜く”。
   梯(ti1 ティイ)は“梯子”。
   全体の意味は「二階に上がらせて梯子をはずす。」。

島村義著「三十六計」に具体的な例がいくつか挙げられている(以下引用)。
(1) わずかな利益で刺激して敵を誘い込み全滅させる。誘いの餌は梯子である。
(2) 必ず儲かるからと金融機関の友人に不正融資させる。十分に出資や融資させたところで、「さあ、どうでもしてくれと」開き直る。
(3) 自分にとって都合の悪い人物を、「上屋抽梯」の形で棚上げし、実権を奪う。
(4) 自分だけ二階の陽の当たる場所に上がり、権力を独占して他のものはよせつけない。
(5) 二階に上がって梯子を外す。つまり、自ら退路を断って必死の覚悟で敵に立ち向かう。
(6) 経営者と部下の信頼関係とみることもできる。経営者の鉄則は、一度決定した内容を反故にしないことだ。部下はその首脳の言葉を信じ、命令の実現に努力する。だがあとになって「あれはやめだ」などといわれたら、部下は二階に上がって梯子を外されたことになる。

多くの人が経験があるのではないか。わたし自身も何度か「二階に上がって梯子をはずされた」苦い経験がある。しかし、「君子は豹変す」という言葉もあるから何かとむずかしい。